『ロングセラー誕生秘話』
EPISODE 02：Roll Filter
開発コンセプトは、
エンジニアリングの羅針盤｡
1997年にスタートしたロールフィルターの開発では
「低コスト・軽量・マルチな制御システム」を訴求することをコンセプトにしました。
当社の製品として「低コスト」は当然のこと。ふたつ目の「軽量」については、
取り付け作業を行うお客さまの負担が軽くなり、喜ばれると思ったからです｡
そして、「マルチな制御システム」を掲げた理由は、必要な変更箇所だけを更新できる汎用性の高いシステムであれば、
機種転換にかかるコストを大幅に抑えることができると考えたからでした｡
完成した「マルチな制御システム」は、当初の予想を遥かに超える汎用性を発揮し、
20年以上たった今でも、改良を重ねながら使われています｡
迅速な開発の裏に、
蓄積されたシーズあり｡
ロールフィルター装置の開発で目指したのは、顧客目線で本当に必要な要素を見極めていくモノづくりです。そこで、製品単価を下げるだけでなく、壊れにくさも追求しました。メンテナンスコストの削減は絶大で、従来の製品が１～２週間ごとのフィルター交換頻度を、年に一回程度まで減らすことに成功しています｡
その後、私たちはお客さまからのご要望を受け、空気清浄機と脱臭装置を組み合わせた多機能型のロールフィルターの開発にも乗り出します。当時、既に空気清浄機と脱臭装置に関する技術とノウハウの蓄積があったことを活かし、迅速な開発を実現。国内シェアを大幅に拡大する契機になりました｡
モノづくりと書いて、
人財育成と読む。
開発は、暗く長いトンネルのようなもの。出口に至る道のりは長く、先が見通せないこともあります。
ロールフィルターの開発でも、若手社員たちが技術的課題に挑戦する場面が沢山ありました。そんな場面では、ベテランエンジニアが率先して手を動かし、後輩たちに手本を見せることで、課題解決に努めたエピソードが伝え残されています。
技術を伝え、チームを牽引するリーダーこそ、貪欲に技術を磨き続けなければならない。私たちは、モノづくりの基盤に人財育成を据え、日々の開発に取り組んでいるのです。
この開発プロジェクトは、いつしか、
未来に技術を託す物語となっていった｡
様々な改良が加えられながら、ロ―ルフィルター装置は、国内トップシェアを誇るロングセラー商品へと成長していきます｡
一連の過程を次世代を担うエンジニアたちに伝えていくことで、明快なコンセプトに沿って進められる開発の重要性を共有しています｡
また、ロールフィルターに続くロングセラー商品の開発に挑戦するチャンスを増やしていけるよう、開発環境の整備にも取り組んでいます｡
多品種を扱う弊社では、製品群ごとに専門性を高めた人財の育成を得意としてきました｡
さらなる成長をテーマに、横断的な知識を武器にチームを率い、開発を牽引していける人財の育成も加速していきます｡